私たち歯医者にとって患者さんの歯の痛みを取り除くのは最も重要なミッションです。
しかし、患者さんは歯に痛みを訴えているのに、どんなによく診ても歯や歯ぐきに原因があるとは思えないということが時々あります。
歯以外に原因があって歯に痛みがあることを「非歯原性疼痛」と言います。
その原因は多種多様です。
特に、もともとは歯に痛みの原因があり、不適切な歯科診療を受けて心因的な影響を強く受けて痛みが長期化していると、その後適切な歯科診療を受けても痛みを治すには長期間かかって大変治りにくくなってしまいます。
『非歯原性疼痛へのアプローチ "原因の分からない"痛みに悩む患者さんが来院したら』によると、
「慢性疼痛では不安や心配が 心身の多彩な症状を引き起こすことで社会活動を制限し、うつ状態を誘発する。
活動制限やうつは元の痛みをさらに増強することになる。
また、急性疼痛では周囲から心配や同情を受け、安心や安らぎを感じるが、慢性疼痛になると周囲はあきらめや無視、非難を示すため疎外感や孤立感を感じるようになり、痛みが増強される。
痛みの原因や程度によらず、痛みが慢性化することで痛みの増強の悪循環が働き出すことになる。
さらに、患者さんは痛みの場所に注意を集中するため、神経過敏になって痛みを感じやすくなる。
このように、慢性疼痛では「本来の痛み」が長い期間に修飾され肥大化しているとともに、そのなかに不安、抑うつ、怒り、悲しみ、ときには逃避や利得などの意味が隠されている。」
とあります。
ここまでくると適切な歯科診療とともに抗うつ剤などが必要です。
調べてみましたが、診療所の歯医者が抗精神薬を入手するのも処方するのも困難な状況です。
歯医者だけではなく、ペインクリニックや心理療法士の協力がなければ患者さんの痛みを和らげてあげることはできません。
しかし患者さんは歯に原因があると思いこんでいる場合、それを口に出そうものなら多くの場合緊張が高まってしまって逆効果になってしまいます。
歯科とペインクリニックが併設されている病院は少ないながらまだあります。
ところがさらに心療内科も併設されている病院は、私が調べたところほとんどありませんでした。
開業医はもちろん、大学病院ですら、です。
心理療法士や精神科医だけでは歯のことは分かりません。
現状では、そのような痛みに苦しむ患者さんは行くところがありません。
その中でも、おそらく唯一の専門機関が医科歯科大にありました。
踊る歯科心身症ネットをご覧ください。
なお、受診は歯医者の紹介が必要なので、心当たりのある方は、かかりつけの歯医者に紹介してもらえないか聞いてみるのも良いのではないでしょうか。
2012年1月22日(月)、シロナ主宰、船越栄次先生のご講演『歯周病治療のUp To Date』を聴いてまいりました。
内容は主に、歯周病で失われた歯槽骨など歯周組織を再生する、エナメル・マトリクス・デリバティブ(EMD、商品名エムドゲイン)を用いた歯周再生療法についてでした。
賛否両論が大きく分かれるエムドゲインですが、船越先生の劇的な再生の結果を目の当たりにすると気持ちが傾きます。
船越先生はエムドゲインに情熱を傾けられているのが伝わります。
海外では既にrhBMP-2のInfuseなど次世代のものがFDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を受けて臨床応用されているようです。
やはり日本の厚生省の材料の認可の壁に阻まれて、日本の歯科医療が世界に置いていかれる結果になっています。
また、再生療法とは話がそれますが、ほとんどの歯にかぶせ物をしてかみ合わせを変えるような全顎的な補綴治療で、かみ合わせの高さが低くなると患者さんは不定愁訴を訴えて自殺することになるので、必ず低くしないように、これだけは今日メモして帰ってほしいと船越先生はおっしゃっていました。
海外で多大な足跡を残された先生なら、研究論文に非常に精通しておられるはずです。
エビデンスのある治療の重要性は言うまでもありませんが、臨床の経験論もいかに大事か考えさせられます。
インプラント、歯周病の手術を考えている患者さん、先生に朗報です。
世界で最も安定した成績を残して広く用いられている骨補填材料のバイオオスが、ようやく日本で認可されました。
これは大ニュースです。
今までも個人輸入や業者に輸入してもらって使っていた先生は多いのですが、大学病院や学会で発表する先生は国内未認可の材料は使用が許されません。
バイオオスがウシ由来の生体材料ということもあってか、主にβ‐TCP製剤が使われていましたが、骨造成外科手術の講演や著書が多く有名なA教授は、
「そりゃ、もしバイオオスが認可されたらそれが1番いい」とおっしゃっていて、やはり大学、学会関係の先生もそれが本音か、と思いました。
B教授の「増やした骨はなくなる」とのお考えも変わるかもしれません。
しかし、海外では既に「ボーン・セラミック」などの次世代の材料が普及。
日本の行政の対応の遅さは歯科医療にとって致命的。
以前から多くの先生方が、日本の歯科医療が世界に取り残される懸念をされていました。
大学病院や学会関係の先生は、そうではない先生より、材料の選択に大きな制約があるというのもおかしな話ですよね。
が、ここにきてTPPで医療界も市場(言葉が適切か分かりませんが)開放?
国際競争力の非常に弱い日本の歯科医療はどうなるのでしょう。
バイオオスのお問い合わせは
デンタリード(株)
TEL 06(6396)4448
FAX 0120-24-0892
にどうぞ。
「いつまでも『老いない脳』をつくる10の生活習慣」(石浦章一著)を読みました。
私は今まで結構勉強してきた自負がありますが、それを記憶、吸収して臨床に生かせなければ、どんなに勉強しても優秀な歯科医にはなれません。
ただの、「よく勉強している歯医者」です。
本当に良い歯医者になるためには、よく勉強することはもちろん、それを吸収する「記憶力(脳力)」、臨床経験をフィードバックしてさらに臨床経験に生かす「能力(脳力)」、どんな予想外の事態が起きても冷静さを失わず的確な判断を下す精神力や判断力を高めなければいけません。
勉強していても、自分がもっと頭がよければ...と思うこともあります。
また、将来ボケない脳を作ることは自分の人生においても家族や周囲の人にとっても大きな意味があります。
そこでこのような本を読んでみました。
早速「老いない脳をつくる10の生活習慣」をご紹介します。
1.週に2~3回、1回30分以上運動をする。
2.食生活のバランスに気を付ける。
3.ストレスを受け流す。
4.コミュニケーションのある生活。
5.好奇心を持って新たなことに挑戦する。
6.学習習慣を続ければ記憶力は保たれる。
7.目標を持つ。
8.自分に報酬を与える。
9.本を読む習慣を維持する。
10.意識的に段取りをする。
ということです。
「脳が十分に働くためには、体全体が健康で、体力があることが基本です。」
脳の能力を高めたり、老いない脳をつくるためには、やはり脳も体の一部、健康な体づくりをすることに他なりません。
そして、遺伝的に決まる要素は自分で変えることができませんが、生活環境・生活習慣は自分で変えることができます。
そして医学的に見て、遺伝的に決まる要素は少ないようです。
また、脳細胞は基本的には増えませんが、一時的な記憶をつかさどる「海馬」だけは例外で、増えるのだそうです。
しかし、精神的なショックを受けると海馬は死にやすいのだそうです。
嫌な記憶を消し去ることで心の平安を保とうとするのだそうです。
何か嫌な体験があって、うつ状態になったままほうっておくと、海馬の神経細胞が死んでいって記憶障害を起こすことがあります。
ストレスも海馬の大敵なのです。
老いない脳をつくる、脳の力を高めるのは、意外と楽しそうですね。
『プレジデント2012 1.2号』です。
専門以外の分野の情報の吸収は人間的な幅を広げ、それがまた良い歯医者としての幅も広げます。
「歯科」の勉強しかしていないと見えなかったものが見えてくることがあるのです。
1年前くらいまでは「歯科」の勉強以外しなかったのでそう思います。
少し難しいのですけど。
そのなかで頭の片隅にこびりついたのが、元・小泉純一郎総理大臣首席秘書官、飯島勲氏のコラムです。
抜粋してご紹介します。
「最近、私は若い人に会うと、『夜の11時を夕方の5時だと思え』と話すことにしている。
午後11時が終業時間だと思って働くくらいの気合が欲しい。
だからといって、朝が遅くなってはいけない。始業時間が午前8時半なら7時には出勤していて当然だ。
人が休んでいる間にいかに働くかが、ライバルに差を付ける秘訣と言える。
...休日は、他人が休む日であって、自分が休んでは決してならない。
本当のことを言うと、午後11時まで仕事をし、帰宅した後に、私は家計を助けようと特許事務所の副業をしていた。
それぐらい猛烈に働いていたのだ。
多くの大手企業のトップは午前5時から6時の間に起床している。
一般の社員が出勤している時間には、すでに一仕事終えているものだ。
夜は夜で疲れも見せずに複数の会合をこなす。
そんな日課を毎日続けられてはじめて、社会は、その人を一人前と認める。
『人生は嵐のようだ』と言う人がいる。
その通りだと思う。
どんなに順調に生きていた人でも、ちょっとしたきっかけで転がり落ちてしまう。
冷や飯を食う日もあるだろう。
左遷されることもあるだろう。
重要なのは、嵐を避けようとするのではなく、襲いかかる困難を正面から乗り切ること。
誰も働いていないのに、自分だけ働き続けるというのは、とても大変なことだ。
しかし、とんでもない嵐が来たときにはじめて、今まで苦労した経験が、大きな武器となることを知る。
経験から得た強い自信を持って、押し寄せる問題を解決しよう。
その暁に、君は男になるんだ。」
思った通りに行かなかったとしたら、不景気だとか、周りのせいにする前に、このくらい働けということですね。
小泉純一郎首相(当時)は党三役、財務(旧大蔵)、外務、経済産業(旧通産)の主要閣僚をどれ一つ経験せず、党内のどの派閥の推薦もなしで総理になった初めての人物です。
その後5年5カ月の長期政権を担いました。
その後の5年間で、日本は6人目の総理大臣となります。
日本人の2人に1人は癌にかかり、3人に1人は癌で亡くなっています。
でも、癌は遺伝や運だとあきらめなければならないことではなく、食習慣や生活習慣を変えることでで防げるし治せるということが分かってきています。
今回の相原歯科医院発行のニュースレター"Happy Life"では、以前もこのブログでご紹介した済陽高穂先生『ガンが消える食べ方 ガンを防ぐ生き方』を取り上げました。
ぜひご一読下さい。
"Happy Life" 第15号 癌が消える食べ方 癌を防ぐ生き方 .pdf
「私は健康食が好きなのではありません。
自分の運命は自分の意思である程度コントロールできるという考え方が好きなのです。」
私はそう書きましたが、健康食も慣れると結構好きになってきています。
このように書き直すと良いかもしれません。
「自分の運命は毎日の習慣で決まるという考え方が好きなのです。」
1月11日に予定していたホームページのリニューアル、私の細かーいチェックで遅れていますが、もうすぐ完成、アップの予定です。
歯科医院のロゴマークも今回デザインをお願いしていて、そちらはもう少しかかりそうですが、皆さん非常に頑張ってくれていて、大変面白いものができそうです。
楽しみにお待ち下さい。
昨日は年末からずっと入院中の5歳の次男がようやく退院。
今日は久しぶりに妻の実家に預かってもらっていた5歳(双子)の長男、3歳の長男も帰ってきます。
今年になって初めて家族全員集まることができます。
その間、私は綾瀬の両親にお世話になっていました。
病院にも24時間付き添いが必要で、休みの日は交代で付き添い、病院の簡易ベッドに宿泊してきました。
ようやく我が家にお正月がやってくるようです。
父さん、母さん、義父さん、義母さん、今までありがとう![]()
明日から仕事初めと言う方も多いと思いますが、皆様はどのようなお正月を過ごされたでしょうか?
私はと言えば、先週初めに5歳の次男が胃腸炎から意識を失う発作、1月30日にも再び発作を起こして救急病院に直行、休みの間中入院していることに。
深刻な病態ではなさそうですが、病院で家族が24時間付き添い体制。さらに5歳の双子の長男が胃腸炎発症、高熱を出して救急病院へ。自分と妻が交互に病院に寝泊まりして、長男と3歳の三男は実家にお世話になりました。
そんな状態で、どこかに出かけるどころか初詣すらままならないお正月を病院で過ごしました。
しかし、思えばここ最近私も仕事で忙しく、休日すら子どもとほとんど話もしていないような状態でした。
お出かけの予定は全てキャンセルでかわいそうでしたが、不謹慎を承知で申し上げれば、次男と二人で病院に寝泊まりして長い時間を過ごしたことはとてもかけがえのない経験で、神様からのプレゼントに思えてきます。
小児てんかんの可能性が高いようですが、本人はふだんは全く正常で、小児てんかんについても比較的頻度の高い疾患(100人に1人くらい)というこもあってネットには優良なサイトが多く、調べているうちに不安は小さくなっていきました。
大したことはないと自分に言い聞かせているのかもしれませんけど。
皆様はどんなお正月を過ごされたでしょうか?
矯正治療は非常に専門性が高い治療で、歯科大学卒業後長時間の研修が必要となります。
一般開業医が簡単に本や講習会で習得できるものではありません。
またその一方で、専門性の高さゆえに矯正医ができる歯や歯周病の治療は限られています。
成人はそのほとんどの場合、矯正治療だけで治療を終わらせることができません。
相原歯科医院の場合、矯正治療をオプションに加えることで治療の可能性を大きく広げます。
高度な矯正治療が必要な場合は、矯正専門医の先生と連携して治療を進めます。
また、矯正専門医でなくてもできる範囲の矯正治療は、従来のブラケットとワイヤーを用いずに、目立たないマウスピース型の矯正器具で治療することができます。
痛みは最小限に抑えられ、料金も通常より安くなります(¥315,000~840,000)。
浮いた費用でホワイトニングやラミネートベニアの治療をすれば口元はさらに美しくなります。
相原歯科医院では、世界で広く使われているマウスピース矯正「クリアアライナー」を最新の3D CAD/CAMテクノロジーにより進化させた「イークライナー」で矯正治療を行っています。
通常、診断料¥15,750を頂くところを先着5名様に限り無料とさせて頂いています。
お口元が気になる方はぜひこの機会にお試しください。
12月18日(日)は、「アライナー矯正治療最前線」東京セミナーを受講して参りました。
以前から世界中で広く使われているマウスピース矯正の一つ、「クリアアライナー」を最新の3D CAD/CAMテクノロジーにより進化させた「イークライナーeCligner」のセミナーです。
クリアアライナーを開発した韓国の金泰元先生、金先生と共著で本も書かれている渡辺和也先生の講義を直接聞き、ディスカッションできる願ってもないチャンス!
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実は3日前の日大松戸歯学部インプラント科忘年会でのこと、隣席の大学病院の井上先生と顎関節症について熱い議論を交わしました。
私は顎関節症の原因について『新 顎関節症はこわくない』にあるような多因子論を唱えましたが、井上先生によると、「最新のアメリカの知見では顎関節症のほとんどがクレンチング(つまり無意識下でのかみしめ)が原因で、自分でもできる簡単な開咬訓練のみで治る」ということでした。
私たちはあまりに議論に熱くなって、とってもおいしそうなデザートやコーヒーにあり付けず非常に悔しい思いをしたのです(そっちか!)。
人間の顎はこのような超番運動をしているので、例えば臼歯の高さを1mm高くすると前歯では2mmくらい高くしなければ当たりません。
全体が同じ厚みのアライナー(マウスピース型の矯正装置)を毎日入れていたら、噛みしめれば臼歯は圧下してアライナーを外したら前歯しか当たらなくなってかみ合わせが悪くなったり、顎関節症状を引き起こす懸念がどうしてもぬぐえませんでした。
私がクリアアライナーを当院に導入してこなかった理由はそこにありました。
渡辺先生によれば今までそのような経験はないそうです。
クレンチング、ブラキシズムが強い場合、歯が圧下するよりアライナーに穴が開くのだそうです。
それが結果的にかみ合わせを悪くさせないのかもしれません。
また、私見ですがアライナーが通常のスプリントの役目をして歯ぎしり、噛みしめ防止に役立っているのかもしれません。
渡辺先生は、クレンチング、ブラキシズムが大変強い患者さんにも通常どうりのアライナー矯正をして問題は起きないそうです。
今日もまた他の先生が全員帰っても議論が続き、渡辺先生からは、「先生のようなよく勉強された先生が一生懸命聞いてくれてとてもうれしい」とおっしゃって頂きました。
以前にもこのブログでお伝えしたことがありますが、骨粗鬆症やがんの再発予防に広く「ビスフォスフォネート」というお薬が服用されています。
年をとると、足腰が弱って転倒することがありますが、転んだときに骨粗鬆症で骨が弱くなっていると容易に骨折してしまいます。
それが高齢者の場合、なかなか治らずそのまま寝たきりになってしまい、要介護になってしまったりそのまま亡くなってしまう方が大変多くいらっしゃいます。
ですから、骨粗鬆症を予防することは長生きしたり、寝たきりにならないために重要なことなので、内科ではこの「ビスフォスフォネート製剤」を積極的に出すようです。
しかし、「ビスフォスフォネート製剤」を飲んでいると、ごくまれにですが、歯を抜いたり、歯医者で外科手術をした後そこからあごの骨が腐って治らず、部分的に顎の骨を切除しなければならなくなるということがあります。
当院の患者さんで、ビスフォスフォネートを服用しているがそれを内科の先生に聞かされていない方がいらっしゃいました。
私が直接内科の先生と電話でお話ししたのですが、その先生は自分で処方しておいてその重大な副作用をご存じない様子だったのです。
現在、日本骨代謝学会ではビスフォスフォネート製剤を服用している患者さんは、抜歯や外科の3か月前から可能なら休薬、2か月後に投薬再開可能という見解ですが、まだ分かっていないこともあるようです。
骨粗鬆症のお薬を服用されている方は歯の治療のときには必ずそれをお伝え下さい。
以前このブログでも
『口から食べられなくなったらどうしますか
「平穏死」のすすめ』(石飛幸三 著)
をご紹介しました。
「平成17年12月1日、私がはじめてホームの配置医として所長に案内されて、胃瘻(いろう)や経鼻胃管(鼻の孔を通して胃の中に入れられた管)から経管栄養を受けておられる16名の方にお会いした時の私の気持ちは、言葉に言い表せないものがありました。
そこで見たものは、かつて私が手術をして命を助けた方々と同年輩の方々の変わり果てた姿でした。
...
人間こうまでして生きていなければならないのか。
これまで幾多の苦難に耐え、それを乗り越えてきた人生、その果てにまたこのような試練に耐えなければならないとは、何とも言えない理不尽な思いを感じたというのがその時の正直な私の気持ちでした。」
とあります。
2011年12月5日付けの朝日新聞朝刊によると、厚生労働省研究班は4日、指針案に、「患者に苦痛があるだけの場合、導入せず自然な死を迎える選択肢もあることを患者本人や家族に示し、導入後に中止や減量できることも盛り込んだ。」とありました。
石飛先生をはじめとした方々の活動が行政を動かしたと言えます。
しかし、それはすなわち口から食べられなくなった人がもう長くないことをご家族が認めなければならないことをも意味します。
難しい問題ですが、誰にでも必ず訪れる「死」から目を背けずに取り組むきっかけになるでしょう。
現在、日本にはおよそ160万人の認知症のお年寄りがいると言われています。本人にとってもご家族にとっても、また世界一の高齢化社会になる日本にとっても重大な問題です。
発症してしまえば効果的な治療法はなく、薬物療法によって緩徐化を計るのが一般的なようです。
2011年12月5日の朝日新聞朝刊によると、適度な運動によってアルツハイマー病などの神経変性疾患と呼ばれる病気の進行を遅らせられそうなことが分かった、と米ベイラー医科大などの研究チームがマウスの実験結果を米科学誌サイエンスに発表したそうです。
私たち歯医者にとって、毎日の食生活を中心とした生活習慣が身体を作るという考え方は受け入れ安いです。
歯はまさにそうだからです。
また、意志の力で自分の運命をコントロールできると言っているようで希望がわきます。
まだ、マウスの実験の段階ですが、運動をして研究が進むのを待ちましょう![]()